ROUTE286

   

286の人々

第0003話
自転車修理屋「TORA」店主 坂平 創俊さん

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1974年生まれ。青森県八戸市出身(長町在住)。
TORA自転車修理&、、、店主。
静岡の自転車屋で10年間勤務されたのち、2017年12月に太白区の複合施設たいはっくる内に自転車修理屋『TORA』をオープン。
https://toralongtownsd.wixsite.com/tora
静岡の自転車屋さんで10年間勤めた後、長町に自転車修理店『TORA』を2017年にオープンされた坂平創俊さん。青森出身の坂平さんが、長町でお店を開くことになった経緯や「打倒、大人」を掲げている大人として、どのように子どもたちと日頃から接していらっしゃるのかお話を伺いました。

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-どうして、自転車屋さんをはじめられたんですか?
34才くらいになって、なんか僕の中で自転車ブームがきたんです。(笑)だから自転車の知識なんてなかったので、就職した静岡の自転車屋さんでは16才下の先輩についてもらってのスタートでした。何も知らないマイナスの状態だったから、キツイっちゃキツかったんですけど、とにかく新鮮で楽しかったです。でも実は、構造物をいじるのは苦手なのでよく続いているなって思います。(笑)最初は、ネジを回す方向もわからなかったくらいでしたからね。
僕を拾ってくれた自転車屋さんは、そんな僕にも仕事を回してくださって、失敗をさせてくれたんです。「次からはこうだよ」という感じで。もう、感謝しかありません。
-知らない世界に飛び込んでいかれたわけですね! どうして静岡の自転車屋さんに?
僕は青森出身なんですけど、ずっとサーフィンばっかりしてたので、自転車ブームがきてから色々調べました。「ワイフ&キッズがいるから、都会じゃない方がいいかな」と思い、静岡にいい感じのお店があったので、とりあえず行ってみることにしたんです。仙台でいう『ハヤサカサイクル』さんみたいな大きい自転車屋さん。当時はサーフィンをしながら、くまなく探し回っていました。
最初の3ヶ月は試用期間で一人だったんだけど、社員になって半年経った頃に「家族を呼びなさい。離れ離れは駄目だよ。近くに住まわせなさい」と社長がおっしゃってくださり、家族と静岡に引越ししました。家族は今もそのまま住んでいます。またまた、一人です…。

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-青森には、いつ頃までいらっしゃったんですか?
高校までですね。それかからは東京で5年間、大検の資格が取れる学校に通いました。カオスな場所でしたよ。(笑)全国からいろんなやつが来てたんですよ。不良と呼ばれているような人やおっとりした人、社会に出て働きながら来てる人とか。本当に面白い人ばっかりでしたね。未だに仲がいいです。
その後、青森に戻って実家の飲食業を手伝いました。昔からある喫茶店で3年くらい経った頃、25歳の時に自分で会社を起こして経営をさせてもらったんですけど、結婚を機に辞めようかなと思って、5年後にはお店を両親に戻しました。そこから私の自転車ブームが起こって、静岡の自転車屋さんに就職という感じです。
お店を続けられなかった要因の一つには、両親とかの意見を聞き入れたりする「僕の器量のなさもあったのかな」と思います。「やってみろ」とやらせてもらえたのは、本当にいい経験でした。だからもうお店持つこととかは全然怖くないです。そういう機会をもらえたのは、やっぱりありがたいですね。両親には感謝しています。
-住んだことがない場所でのオープンは、怖くなかったのですか?
いや、そうでもなかったんです。そこは全然「やってみっかなー」ぐらい。(笑)せっかく静岡で10年もよくしてもらったんで、長い人生の内に1回は、やれることをやっておかないと。勤め続ける道もあったかもしれないけど、おつぼねみたいになっちゃうのは避けたかったんです。
ただ、辞めた時はすぐに自分で自転車屋をやろうとは考えませんでした。ワイフ&キッズがいますからね、さすがに何ヶ月かは悩みました。

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-自転車屋さんをはじめる際に、長町を選んだ理由について教えてください。
静岡にいた当時、いずれは青森でお店開くつもりで、仕事を教えてもらっていたんですよ。地元だからやる意義はあるし、ずっとファイティングポーズを取っていられるとは思ったんですけど「食っていけるのか?」という不安がありましたね。お世話になった人たちからも反対されていたし「静岡でやればいいんじゃないか」と言ってくださっていたんですけど、さすがにそれは大義名分として違うなって。それで、どこがいいかなと考えたときに、一番イメージが湧いたのが仙台でした。よく遊びにきていたし、静岡と青森の間だったので、割と悩まずに決めた感じです。
長町にした決め手は、『鶴の湯』という銭湯。(笑)小さな老舗さんだけど、スパッと気持ちのいいところ。そこの旦那さんがいい感じなんです。すごく寡黙な感じの旦那さんなんですが『鶴の湯通信』というフリーペーパーを毎月作られていて、これが堪んなくいいんですよ!そこでバックナンバーを読むのが、最高の楽しみになっています。旦那さんのちょっとした思想なんかも垣間見れて、面白いし素晴らしいんです。本当にいい銭湯。
現実的なところでは、大手さんの自転車屋もこの商圏にいくつかあるので、そういう意味では「何とかやっていけるんじゃないかな」と思いました。

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-いろんな地元のお客さんがいらっしゃると思うのですが、たまに小学生や中学生が休憩しているのをお見かけします。(笑)
そうなんですよね。なんでなのかな?話をするでもなく、しばらく座っていくんです。(笑)でも小学1年生くらいの子どもたちは、僕のことをよくからかいにきます。なぜなのかは、やっぱり分からない。
-小学生のコミュニケーション力には、色々驚かされることがありますよね。
すごいですよね。たまに「はっ!」とするときあるじゃないですか。質問に対して、なかなか応えられなかったりします。最近一番困ったのは、近所の男の子に「クソコロナで学校も休みで、どこかに出かけたら駄目って言われて、家にいなさいって言われたから家でゲームやると怒られるし。なんなのこの理不尽は!」と愚痴をこぼされたとき、ちゃんと応えられたのか自信はありません。そのときは「やっぱりガキだからさ、親と学校に従うしかねーんじゃんな?あんまりよくわかんねーけど、アイスでも食うか」と話を聞くことしかできなかったんですよね。その子が言いたいことは、本当にその通りだなと思うことばっかりだったので。僕は大人だけど「打倒、大人!」なんでね。子どもは面白いし、敵わないと思っています。

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-理不尽なことや思い通りに気持ちが伝えられない子どもたちに、伝えたいことは?
やっぱり子どもは元気で、笑っていてほしいなと思います。でもそれができない子もいるでしょうけど、できれば何でも楽しい方に向かってほしいです。あの手この手で。(笑)
例えば、子どもであるということは、一つ武器になり得るので「私は、子どもだ!」と威張って、大人をそのキラキラした存在感で上手く動かせばいいし、それが子どもの特権。
要は「これは駄目だよ」と言われてるところの際きわまで近づくと、見える景色っていっぱいあるはずなんです。だから「そこに行け!そこに立て!」と応援したいけど、そういうことはあまり言っちゃいかないのかな?(笑)
でもその方が近道だし、リアルだったりしますよね。僕は相談されたことについては、肯定もするし、否定もします。そこは大人も子どもも関係なく「フェアじゃなきゃ駄目じゃん。対等に事柄で話し合いたいなー」って思うところでした。

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長町に住む大学生の友人が遊びにきていました。

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TORA自転車修理&、、、(仙台市太白区長町5-3-1 ​たいはっくるイオプラザ1F)
「営業時間」平日8:00-19:00、土日祝10:00-19:00
[電話番号]022-398-3470
[メールアドレス]tora.jitensha.shuuri@gmail.com

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