第0001話
シンガーソングライター高橋 亨明(@なおポップ)さん
- 1985年12月28日生まれ。福島県福島市出身(長町南在住)。奥さんと2人暮らし。
東北を結び、東北と全国を繋ぐ旅人シンガーソングライター。東北全県と東京を拠点に、全国各地で活動中。
https://pokapoka-naopop.jimdofree.com
- 東北と全国を緑のワゴン車で旅するシンガーソングライターのなおポップさん。才能は歌だけではなく、企画プロデュース・ライブ設営・配信業など多岐に渡ります。ここではそんな、なおポップさんの子ども時代や活動をする上で大切にしていることなどをお話いただきました。
- -音楽活動はいつ頃からされているのですか?
- 私の家族は音楽一家で、音響とかイベントの会社を経営しています。父親はご当地アーティストもしていたのですが、子ども頃は音楽や仕事を継ぎたいとは思わなかったですね。
- -こどもの頃はどんなことをしていましたか?
- 子ども頃はジャッキー・チェン(香港の俳優・武術家)に憧れていたので、スポーツづけでした。小学校ではミニバス。中学校の時は、野球部と新聞配達で体力づくりをしていましたが、ズバ抜けたセンスはなくて。広く浅く、生きていくには丁度いいくらいの運動神経がありました。(笑)
その一方で歌うことも、子どもの頃から好きです。声は高い方だったので、中学1年生まではアルト担当だったくらい。
高校では空手部に入って練習に励んでいました。でも強豪校で練習が厳しく、私は小柄で怪我も多かったためジャッキー・チェンになるのは諦めました。
- -挫折を経て、ミュージシャンを目指すきっかけに?
- まさに、その通り。(笑)空手部を辞めてからフラ付いていた私に、クラスメイトが「音楽一家の息子で、人より歌が歌えるだろ。学祭で一緒にバンド組んでモテようぜ!」と誘ってもらったのがきっかけです。
だから、最初のライブは学園祭。人前はもちろん、生演奏で歌うというのも初めてでした。500人の観客を前にして、いきなりスターになった気分で「父親の仕事って、こんなに気持ちがいいものなのか」と思い、いまの活動に繋がっています。
- -誰かの影響というよりは、周りの環境が大きかったのですね。
- いま思うと「全部恵まれていたな」と感じます。周りの音楽仲間と一緒にやっていく中で、家がスタジオで楽器もあり、練習も自由にできることは有り難いことなのだと。10代の頃は、当たり前だと勘違いしていました。
- -環境って大切ですね。普段はどこで演奏していますか?
- 演奏に必要な機材は揃っていて操作も私ができるので、カフェ・喫茶店・居酒屋・古民家・蔵など様々なところをお借りして演奏させていただいています。もちろんライブハウスなどの空間で演奏することもありますが、限られた環境と私ができることの中で生まれる即興感が好きです。
- -旅人スタイル、素敵です!現在は富沢公園や長町駅前でもイベントを開催されていますが、そうした活動はいつ頃から意識していたのですか?
- 大学生の頃までは主にライブハウスで活動していました。その中で、主婦や夜にライブハウスへ足を運べないファンが多かったため「もっと、ファンの皆さんが来やすい環境で活動をしたいな」と思ったのがはじまりです。
でもこの頃は(私が知らなかっただけかもしれませんが)、ジャズ以外のカフェライブが仙台の文化にはなかったため、知り合いが営むカフェの閉店後や定休日に、ライブ会場として借りていました。そうした活動を通して、賛同してくれる仲間もでき、定期的にライブを開催できるようになったので野外イベントの開催もしていきました。主催した野外イベントは公園規模だと500〜600人、大きい会場は5,000人くらい来てくださっています。
- -なおポップさんの愛車、緑色でフォルムも独特ですね。すぐ、目につきます。
- この車は格安で譲っていただいて7,000台しか生産されてないので、この車は目立つんですよ。インスタグラムでは、同じ車に乗っているという共通点だけでフォローしてくれる人もいるくらい。(笑)
最近はコロナ禍でも音楽をたくさんの方に届けられたらと、この車から配信ライブをすることもあります。
- -好きな時間や場所に行けるのは、とても楽しそう!
- 実はいま「あなたのリビングで、あなたのためだけに歌います(仮)」というサービスもはじめました。直接ファンのお宅に行ったり、オンライン限定ライブにしたりと臨機応変に対応しています。
- -SNSの普及で、宣伝や配信がしやすくなりましたよね。
- だから今の高校生や若い人たちは「羨ましいな」と思います。私たちの時代は路上ライブの時に、次のライブ案内を紙で配布して特定の人へメールを送るしかできませんでした。同じ口コミでも、より地道な宣伝ですよね。
- -いまも路上ライブはされるのですか?
- 10代の頃は福島で結構やっていました。ゆずさんや19さんといったミュージシャンが流行っていた頃は全盛期。仙台のアーケードは週末になると、3軒ごとにライブしていましたよ。私はいまでも時々やりますが、基本的にやっていいところはないのでお巡りさんに毎回注意されます。(笑)仙台のアーケードでは30分くらいで撤収することがしばしば。
- -様々な活動をされていますが、その資金はどうのように集めていますか?
- 以前はイベントの入場料やCDの売上げなどで賄っていましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、イベントを自粛する状況が続きました。そこで2020年からは、仙台市の助成金や補助金を活用させていただいています。私は個人事業で活動をしているので持続化給付金を申請したときに、アーティスト向けの支援情報を知りました。ここ1、2年は配信事業などにも活用させていただいています。
その他には配信イベントのカメラマンや音響、ラジオ番組を担当させていただくなど多方面でお仕事をいただきながら、知人のお店で週に1日くらいアルバイトもしています。
- -活動する上で大切にしていることは?
- 「好き」かどうか。(笑)参加するイベントごとにいただくギャランティの金額はバラバラなのですが、一緒にやる人や声をかけてくれる人のことが好きなら、金額は関係なく気持ちよく仕事ができるからです。
将来的に上手くいくのか、食べていけるのかは正直わかりません。それでも、できる限り生き方が似ていたり、お酒の席が楽しかったりする人と一緒に仕事をしていきたいと思っています。
- -太白区に住むようになった、きっかけを教えてください。
- 尚絅学院大学に進み、1年の9月くらい(19歳)の時に福島から出てきました。途中、名取市にいたこともありましたが太白区にはもう16年いますね。
入学当時は始発に乗れば1限目に間に合ったので、実家の福島市から通っていました。でも、学生になると友人と遅くまで遊ぶこともが楽しみの一つじゃないですか。(笑)終電が21時台だと夕飯を食べたら「もう時間だ、バイバーイ」となるのが、とても寂しかったのを覚えています。
それで言い訳を揃えて親を説得して、長町南に住むようになりました。一番長く住んだは太子堂駅がある大野田で、8年半くらい。
奥さんは会津若松出身のミュージシャンで、大学生の時に参加したライブでの共演が出合い。卒業のタイミングで、奥さんと同棲するために名取市で平家を借りたのですが「音楽活動するなら、やっぱり仙台がいい」ということで、長町南にすぐ戻りました。
- -同業の人と結婚するのに抵抗はありませんでしたか?
- そうですね。途中で奥さんが辞めたので「良かったな」と思うことはあります。(笑)
ただ私たちの場合は、元々持っているものが違うので協力し合えている気がします。私はプロモーションや技術力、奥さんは絵心と歌唱力。歌は圧倒的に奥さんの方が今でも上手いし、ジャケットの絵を書いてくれています。偶然にも得意不得意がバラバラだったのが、良かったのかもしれません。
- -16年住んでいて感じる、太白区の魅力とは。
- 長町近辺に住んでいる視点になりますが、電車5分で東北一の都会である仙台に行けて、車を15分走らせれば、茂庭や秋保温泉など長閑な場所があるところですかね。それが両方手に入るというのは、すごく魅力的だと思います。
仕事やイベント事をするときは人が集まるところへ行けばいいし、のんびりしたいときも然り。その間に住めるのは、長町近辺の特権です。
- -太白区で働く良さはどんなところですか?
- 太白区は個々で楽しんで仕事をしている人が多いと思います。良くも悪くも仙台の中心街や東京の都心のように、競争や殺伐感がないので仕事のしやすさがあります。そのため、自分の思いつきで仕事をはじめやすいし、足枷となる意見や雰囲気が少ない街です。
必要な材料や人力とかなんでも揃っているから、引き出しし放題。都会と田舎のブレンドが、ほどよい気がします。
起業を考えている人は、まずはその引き出しに手をかける準備が必要ですね。個人の飲食店に通い詰めて、店の人と仲良くなるのことをオススメします!
- -太白区の子どもたちへメッセージをお願いします。
- 意外となんとでもなるよ!大丈夫です。
普段、接している親御さんや先生はそれぞれの立場と責任があるから、必ずしもあなたが必要としている言葉やチャンスを与えられないこともあると思います。特に日本はその風潮が強いけど、何かをして失敗したら異なる方法を探せばいいんじゃないでしょうか。
だから周りの人と意見が合わないからといって、あなたは決して悪者ではない!間違えてもいないのです。
生き方は人それぞれだから、あなたが生きたいと思う未来を信じてください。やりたいことをしていれば、なんとか生きていけます!
- -お知らせ
- 2022年4月17日(日)勾当台公園野外音楽堂(仙台市)
@なおポップトリオ 無料ワンマンライブ
「この町に暮らして2022」[開場]16:00
[開演]16:30
[終演予定]18:30
[出演]@なおポップ(Vo,AG) 河野圭佑(Key,Cho) maruyaMAX(Per)
[ビジュアル担当]中川和寿(絵描き)
[企画]OfficeHelloGarden*※観覧無料
※1月下旬にクラウドファンディングスタート予定