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286の人々

第00020話
保育士/自然を愛する手仕事屋『coco mini home』 中村 菜積さん

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保育士/自然を愛する手仕事屋『coco mini home』 中村 菜積さん

1985年生まれ。太白区出身在住。保育士/自然を愛する手仕事屋(ハンドメイド作家)で、2児の母。尚絅学院女子高等学校卒業。2005年に尚絅学院大学 保育科を卒業し、幼稚園教諭免許・保育士の資格を取得。同年より教育の現場に就き、結婚を機に退職。育児が落ち着きはじめた頃に手仕事を本格的にはじめ、保育士の職にも復帰した。2018年より、インスタグラムで古道具や天然素材を取り入れた丁寧な暮らしや作品の発信とハンドメイドマーケット『minne』での作品販売を開始。近々、WEBショップOpen。

[Instagram] https://www.instagram.com/coco.mini.home/
[minne] https://minne.com/@nakamoon0417

長く愛されるものづくりと丁寧な暮らしに映る ワーママさん等身大の姿

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中村さんの秘密部屋

-階段下に、こんな夢空間があるなんて!まるで「ドアを開けたら、そこは絵本の世界でした」みたいですね。
ここは私のお気に入りの空間で、秘密部屋なんです。最近では、娘も自分の作品を飾ってくれています。

この空間は自宅を建てる際に、設計士の方が「ここはデットスペースで、大体の方は納戸として使っていて床暖房は付きませんが、小部屋のように使えますよ」と照明やコンセント、そして窓も付けてくれました!

ここには私や娘の作品だけではなく、私が大好きな天然素材でつくられている雑貨やぬいぐるみなどを飾り付けています。時間を見つけて、コツコツつくり込みました。1人でニヤニヤしながら。(笑)

大好きなものに囲まれた空間で作業する時間があったり、手仕事のイベントに参加していると心が充実します。これは私にとって、家族円満の秘訣です!

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-旦那さんも保育士をされているのですよね。お仕事を続けながら、同じ視点で子育てができるなんて素敵!
旦那とは職場で出会い結婚したので、私の性格をよく理解してくれています。子どもたちの育て方などを語りはじめると、朝方まで熱く語り合うことも。(笑)

「子は親の鏡」とよく言いますが、教え子やクラスが「こういう子に。こんなクラスになりますように」と丁寧に関わることで、本当にその通りになっていくんですよ。

年齢が低ければ低い子どもほど、時々「何を考えているのかな?」と悩むこともありますが、それが面白いしもっと知りたくなります。私自身、子どもたちから学ぶことがいっぱいあり、成長させていただきました。

もう8年以上前の話になりますが、「母として○○であるべき」「妻として○○でいなければ」と、理想を追求する『べきべき人間』だった頃があったんです。

そのため、1人目の子どもが生まれてからの1年間は、初めてのことばかりで気持ちに余裕を持つことができませんでした。

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-誰もが必ず持っている理想の母親像。無理をしていても、頑張って叶えたいという気持ち…わかります。
母は強くありたいんですよね。「心配をかけてはいけない」という気持ちが働いて、泣かないようにしようっと思ったときもありました。

でも、実際は逆でした。なんでもかんでも見せることがいいとは思っていませんが、全部を隠してしまうと、子どもは「なにを隠しているの?」と気になるようになるんですよね。それで子どもに、余計な心配をかけてしまうこともありますから。

だから私は「母親は、常に強くなくてもいい」と思うようになりました。

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-暮らしの中には、いつも木がありました。
私の母と祖母は、一生物の家具などをお手入れしながら大切に愛用する人なんです。だから私が天然素材だったり、木の古道具や家具を生活に取り入れているのは母の影響は大きい。幼少期からずっと暮らしに木がある生活を送ってきました。

私も安くてかわいいものが好きな時代もあったんですけど、結局戻ってきましたね。

最近はおしゃれなトレンドとして人気ですが、私はおしゃれというよりも木のぬくもりとか触り心地が気持ちよかったり、肌への馴染みやすさ。それに、木は年々味が出てくるところが堪らなく好きです!

産後からリビングなどに古道具や自然素材の雑貨を飾っていたのですが、子どもを寝かしつけたあとやお昼寝タイムのちょっとした隙間で、少しずつ手仕事をする気持ちのゆとりが持てるようになりました。

それ以降、娘のスタイや髪飾りをつくりはじめて、どんどん手仕事の魅力に惹かれていきました。

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-中村さんが一番好きな素材はなんですか?また、本格的に手仕事をはじめられたきっかけを教えてください。
天然の羊毛が大好きです。かなりマニアックに。(笑)羊毛は、羊の種類で毛の質感・硬さ・色のバリエーションがあるので、さまざまな風合いを楽しめるんです!ティーポットカバーも数種類の羊毛でつくっています。

ほかにはドライフラワーなどの天然素材を使ってリースをつくったり、木の実を娘と拾い集めて雑貨をつくることもあります。

最近はSNSの普及で撮影許可を取りやすくなりましたが、私が手仕事をはじめた頃は、雑貨店の商品を目で見て、つくり方を覚えていました。それを手仕事好きな友達と真似てつくったりもしました。(笑)

この頃はまだ家族や友達のためにつくってきましたが、娘が通っていた幼稚園で開催されたイベントを機に新たな感情が芽生えたんです。

このイベントは保護者の方が手づくりしたものを販売するものだったので、初めて見ず知らずの方に、私がつくったものを購入していただく経験でした。

ご購入くださったお客さんに次のイベント時でお会いしたとき「すごく大事に使っていますよ」「新作をつくらないの?」とお声をがけいただけるようになって、私のつくったものでたくさんの方に喜んでいただける幸せを見つけました。

また、そのイベントに一緒に参加したママ友と『アトリエtomo(※)』という場所で、定期的に手づくりイベントを開催して、活動を継続しています。

(※)太白区砂押町のアトリエ(週1回開催)。平日は、子どもたちが放課後に集う居場所になっている。

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-中村さんのお話を伺っていると、元気が出てきます!やはり、子どもの頃から活発なタイプでしたか?
実は幼少の頃の私は、とても人見知りが激しい子でした。幼稚園の先生に指でツンツンして「なっちゃん、おはよう」と言ってもらい、やっと挨拶ができるくらい。(笑)

幼稚園から中学校まで人並みに楽しんでいたし、男子とも遊んだりしていましたが、なんとなく自分をさらけ出せない状況がずっと続いていました。

でも、高校の時に女子校へ入学して青春が開花しましたね。それまでの比にならないくらい、のびのびと過ごせたんです。これが青春か!と思いました。

私自身をさらけ出したら出した分だけ、楽しさが何倍にも返ってくる。その楽しさは手仕事や保育士をしていく中で、さらに大きくなっていきました。

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-大好きなことや楽しいことを優先することで、物事に良い循環が生まれてくるんですね!
まさにその通りですよね。いまは本当に、人と関わることが好きな人になりました。大勢の前や1対1などの場面ではまだ緊張するんですけど、保護者の方のお子さんの様子を伝えたり、手仕事についてお話をするときはもう熱く語ってしまいます。

そのためか、勤め先には私の隠れファンが結構いるみたいなんです。(笑)

いろんな方々との出会いとお付き合いを通して、いまの私が在るんだと感謝の気持ちでいっぱいです。

語り合えるくらい好きなものを見つけて、それを人と共有できたり、相手が興味を持っていることを知ることができたりすることに魅力を感じます。

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-これから、やってみたいことや叶えたい夢はありますか?
幼稚園や小学校で「大きくなったら何になりたいですか」と言われたら、花屋さんとかパン屋さんなどいろんなものに憧れますよね。例えそれが、大人になってもなかなか叶わなかったとしても「大人になってから別の夢を持っていいんだ」とここ10年くらいで気づきました。

私の最近の夢は、自宅のお庭に小屋をつくってお店をオープンさせることです!

子どもたちには、大人が夢を語ってイキイキ楽しんでいたり、夢を叶えるために苦悩する姿を見てもらいたいと思っています。きっと、明るい未来を子どもたちが描けるはず!
私はそう信じています。

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-作家情報
自然を愛する手仕事屋『coco mini home』
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[Instagram] https://www.instagram.com/coco.mini.home/
[minne] https://minne.com/@nakamoon0417

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