第0008話
キャンドルアーティスト 川村 景太さん(Keita Candle)
- キャンドルアーティスト 川村 景太さん(Keita Candle)
1981年生まれ。宮城県仙台市出身在住。総合学園ヒューマンアカデミー仙台校 ファッションカレッジ卒業後、アパレルメーカーと帽子店で勤務。2015年キャンドルアーティストとして活動始動。宮城県を中心に、東北や東京などでのイベント出店のほか、キャンドル装飾で空間プロデュースを行う。日本キャンドル協会(JCA)認定キャンドルアーティスト。
https://keitacandle-iroai.com
Instagram @keita6candle9
- キャンドルで灯す日常をこよなく愛するアーティスト
- -とても素敵な帽子を被られているので、最初は帽子屋さんかと思いました!
- この帽子ですね?(笑)もともとはアパレル業界で10年くらい働いていました。
アパレルメーカーでは、レディース服の販売員と本部で営業を担当しました。その後、帽子が昔から好きだったので帽子屋さんに転職しました。
「一度は東京に行ってみたい」という想いがあったんですよね。自分の可能性を信じて、チャンスを掴めそうな気がして。実際、いまの仕事をしていると東京で出会った人たちとの繋がりを持てているのは、良かったと思います。
帽子屋さんで販売員から店長まで経験させていただいたんですが、出身校の総合学園ヒューマンアカデミー仙台校から「ファッションカレッジの講師をしないか?」とお声がけいただき、常勤講師として仙台に戻ってきました。
- -いつ頃から、キャンドルに興味を持たれたんですか?
- キャンドルは、東京にいた頃から趣味でやっていました。自分でしっかり作りはじめたのは、震災後くらいなんですけど、そのきっかけとなった人がいるんです。
その人はキャンドルジュンさんといって、音楽フェスなどでキャンドル装飾と呼ばれる空間プロデュースをされている方。10年以上前にはじめてキャンドルジュンさんが手がけた空間を見て「素敵だな」と思って、この業界に足を踏み入れることになりました。
- -KEITAさんの作品はカラフルなものから、白くてシンプルなものへ変わりましたね。
- 今のスタイルは、去年からなんですよ。クライアントさんのご意向で「白のナチュラル系でやってほしい」と言われてつくりました。
でも、白のナチュラル系は誰でもつくれるものなので、表面に彫刻を施すことにしました。彫刻と言っても凹凸をつける感じで掘っていて、そうすると光の抜け感が変わるんです。
彫刻は苦手なジャンルだし、キャンドルジュンさんなどほかのアーティストさんが実践しているのを知っていたので、同じものにならないように気をつけました。もうそれこそ、こねくり回しながらつくっていきましたね。(笑)
- -KEITAさんの作品に対するこだわりや強みは、どんなところですか?
- 「火を灯す」というコンセプトが、しっかり表現できているところは強みだと思っています。
僕のキャンドルの特徴は、外側を残して中を空洞化させて、そこに小さいキャンドルを入れて演出するものです。光が抜けた方がとてもキレイなんです。
あと大きさと数も、ほかのアーティストさんと差別化できていると思います。大きいもので1mあり、4段階のサイズ展開があります。本数はいまのシリーズで約400本ぐらいストックしているんですよね。(笑)搬入搬出は一苦労。
また、このシンプルなもののほかに以前のカラフルなものもあるので、ご希望に合わせて色味を加える演出をつくることもできます。そうしたご要望に対応できて、しっかり魅せられるというのも僕の強みかなと思います。
- -空間演出をお仕事にされる上で「難しいな」と感じることはありますか?
- キャンドルに火をつけてお金をいただくのは、なかなか難しい仕事だなと常日頃考えています。
例えば、僕にとっての作品価値は多くの人たちに「キレイだね」と評価していただけること。そうしないと「アーティスト」とは呼べないし、ただキャンドルを多く持ってるおじさんになってしまうんで。(笑)そこはやっぱり、プロとしてこだわっていかなきゃいけない。
人前で空間演出できるようになって、その気持ちはより強くなりましたし、常に心がけています。
- -昨今ではDIYをはじめ「自分でつくる」ことがブームになっていますが、実際キャンドルを購入される方は増えているのでしょうか?
- 日常使いで購入される方はもともと少ないですよね。キャンドルは大体、プレゼントでもらったり、ギフトで贈ることが多いと思います。
そこでよく「かわいいから、部屋にそのまま飾ってます」という会話を耳にすることがあるんですが、「キャンドルに火を灯して!」と叫びたい(笑)
キャンドルの良さは火のゆらぎだったり、ぬくもりを空間にもたらしてくれるところ。贈り物を飾って終わったり、商品をつくるだけではキャンドルを楽しめきれていないんです。
ろうそくの火で明かりを得ていた頃のように、日常的に消費される存在にしていきたいと思っています。そういう点では、色が削ぎ落とされてシンプルになった作品は、そういう「火を灯す」というメッセージを伝えやすくなった気がします。
- -これからアーティストとして、叶えたい夢はありますか?
- 僕自身、この仕事をしていなかったら「お誕生日ケーキくらいでしかキャンドルに関わる機会はなかなかないだろうな」と考えることがあります。キャンドルは、日本の文化でも昔は生活の一部でしたが、電気が流通した現代では非日常的なアイテムになっていると思うんですよ。
キャンドルを日常生活に取り入れる取っ掛かりとして、僕のお仕事を見ていただく機会がありましたら、それを体感していただける価値はあります。ぜひ、一度キャンドル空間を堪能してみてください!
- -東京で仕事を経験されたKEITAさんが、太白区の子どもたちに伝えたいこと。
- 大学や高校生くらいの年齢になるとやりたいことが明確に出てきて「東京に行けばもっと何かあるんじゃないかな」と考える人もいるでしょう。僕もそうでしたが、何も掴めませんでした。でも行ってみなきゃわからないこともありましたし、それもいい経験だったと後悔はしていません。
だからといって、自分が育ったところってそんなに悪くないし「すごくいいところだったんだ」と気づくことができました。親であったり、友達や周りの環境は意外と恵まれているんですよね。
仕事に関して若い人に伝えたいことは、年齢関係なく興味を持ったことやったり、たまに逃げ腰になってやらなかったり、失敗や成功したこと全部が大切な経験になるということ。積み重ねではないですが、失敗も知っていた方が絶対いいです。
僕はいまこの仕事をしていますが、どちらかというと絵は下手だったし、アートと呼ばれるものとは無縁でした。「やりたい」と思うものは、人それぞれ違うタイミングで訪れるものだと思うので焦らず挑戦していってください。
そして僕は、仙台市の「Keita Candle」ではなくて、太白区の「Keita Candle」と呼ばれる日を切に願って、活動を続けていきたいと思います。
- -お知らせ
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コロナ禍でお家時間をほんの少し特別なものにしたい方は、贈り物でもらったキャンドルに火を灯してみてください。きっとあなたの日常に小さな幸せを感じることができます。
またイベント規模や商業施設の大きさと使用条件に合わせて、空間演出の依頼も承っております。キャンドルの大きさや本数、LED対応などお気軽にご相談ください。キャンドルアーティスト 川村 景太さん(Keita Candle)
[メール]keitacandle@gmail.com
[URL]https://keitacandle-iroai.com
[Instagram]@keita6candle9
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