ROUTE286

   

286の人々

第00012話
『STRAWBERRY JAM.』 レザークラフト作家 太田 潤一さん

route286
1982年生まれ。宮城県仙台市出身在住。宮城県農業高校 機械科を卒業後、宮城文化服装専門学校 ファッションスペシャリスト科へ。卒業後は縫製工場へ就職。縫製工場を退職後、会社員を経て独立。2014年から、東北をはじめ各地で開催されるクラフトイベントやワークショップへ出展。店舗を構えず、イベントとネットで作品を販売。

[Instagram]@strawberryjam_leather

レザーの呼吸に合わせて、一縫一縫丁寧に仕上げます。

route286

-太田さんは宮城服飾文化専門学校のご出身ですが、レザー作家になるきっかけは?
きっかけは東日本大震災でした。震災前までは会社員で営業をしていたのですが、震災によって才能のある方がたくさん亡くなられた現実を知って「これからは好きなことをはじめた方がいいかな」と思ったんです。
ものづくり自体は子どもの頃から好きで、宮城服飾文化専門学校では服のパタンナーを目指していました。でもパタンナーは新卒採用がなく、経験を摘まなくてはいけなかったので「どこで勉強すればいいの?」と諦めました。
でも縫製工場で働く中で服をつくるための技術を学ぶことができ、そこから個人的にレザークラフトをはじめていきました。いまでも知り合いの古着屋さんと提携して、服のリメイクもご依頼いただけています。

route286

-レザーのどんなところが面白いですか?
レザーって、呼吸をしているんですよね。同じものは一つもないのでめっちゃ薄かったり、何か変な色があったり。染料も季節によって出方が変わるため、湿気多い時期は薄く、冬は濃く出たりします。
私は豚の柔らかいレザーをよく使うのですが、柔らかいのは扱いが難しいんです。でも財布などは、手によく馴染むほうが使い勝手がいいと思うので、よく流通しているヌメは使用していません。

route286

-太田さんの作品は、どちらで購入できますか?
私は店舗を構えていないので、2014年からクラフトイベントに出展しながら販売をしています。2020年からネット販売もはじめたのですが在庫管理など難しく、現在は停止中です。(笑)
やはりレザーは質感や大きさ、重さなど実際に手に取ってみないと分からないことが多いので、できるだけ対面販売をしていきたいと思っています。
イベントのいいところは「レザー作品を買うぞ!」と目的も持って来てくださる方が多いので、ゆっくりお話もできるから楽しいです。
ただ毎回同じイベントに出られるわけではなく、書類審査があるところに出展しているので一度通過したところでも、たまに書類選考から漏れるときもあります。「今回はごめんね」みたいな。
結構シビアなので毎回、封筒が届く度に厚みを確認しては一喜一憂。(笑)
-クラフトイベントではたくさんの作家さんたちの作品をご覧になると思いますが、太田さんの作品の特徴やこだわりについて教えてください。
縫い目とレザー素材にはこだわっています。
全て手縫いで、ミシン目に近づけられるように試行錯誤してきました。最初は知識もなかったし、本を見ても訳分からない状態で。(笑)でも最近になって、ようやく納得できるものに落ち着いてきたんです。
レザー素材は東京の問屋さんで仕入れています。私の作品で一番人気のある木目レザーは、ベテラン職人さんが一人でつくっています。後継者がいないためとても貴重なものです。この素材に出会うのにも3年くらいかかりましたね。作風に合うものを探すにも時間がかかります。
また豚のレザーを使った作品あるのですが、現在は一般に小売をしていない業者さんから特別に購入させていただいています。
このように素材にはかなりこだわっているんです。代わりが利くようなものやいつでも買えるものは避けていて、必ず問屋さんへ顔を出して直接仕入れています。

route286

-職人さんのこだわり、しびれますね!仕入れは東京へ行かれていても、アトリエを地元にして置いておくのには何か理由があるのでしょうか?
太白区は住みやすいし、地元に残っている友人たちがいろんな業種に携わっているので、何か困ったときは助けてくれます。本当に心強いです。
車屋さんとか、ほぼ全業種揃っている気がします。(笑)
高校生くらいになると「東京に行きたい」って思うかもしれないけど、地元にいたらいたで、得るものはやっぱり大きいんですよね。人付き合いが一番だと思います。

route286

-これから挑戦してみたいことはありますか?
店舗を構えたいなと思っています。いや本当は、40歳になる今年で構える予定でした。(笑)
新型コロナウイルスの蔓延によって、資金を貯められず断念。
店舗は地元でやるか、服のリメイクでお仕事をいただいている街中の古着屋さんの方にするのか悩み中です。街中にした方が仕事のしやすさはあると思うんですがね。レア感出すなら地元かなとも思ってみたり。
もしくは、トレーラーハウスを置いてもいいかな。トレーラーハウスを運んでくれる友人もいるんで。(笑)
夢はいくらでも膨らみます。

route286

-大人になってからも日々挑戦!失敗を繰り返しながらも、挑戦をし続けることは大切ですね。
好きなことだったり、やりたいことは、何歳になってでも遅くないんだなって、実感しています。なにか自分の中で思っていることは、やらないよりやって後悔すべき!
それと「やって失敗して、そこで諦めるなら諦める。それでいいじゃん」と思います。「必ず成功しなきゃいけない」とか「諦めちゃいけない」と肩肘張らず、好きなことがある人は一人で考え込まず、応援してくれそうな人に片っ端から語っていきましょう!
-お知らせ
あきうクラフトフェア『手ん店』に出展します!
日時:2022/9/10(土)10:00-17:00, 11(日)10:00-16:00
会場:『秋保・木の家 ロッジ村』

クラフトイベントへの出展は月2,3回のペースで参加しています。イベント情報などは
Instagramで随時発信しているので、実物をご覧になりたい方はぜひフォローしていただけ
たらと思います。ネット販売は現在、停止中です。

『STRAWBERRY JAM.』
[Instagram] @strawberryjam_leather
[BASE] https://jamleather.base.shop/

SHARE

  • twitter
  • facebook

PR

広告募集中広告募集中