第00018話
『BEAGLE USED & VINTAGE』店主 タツロウさん(with 妻 アンナさん)
- 『BEAGLE USED & VINTAGE』店主 タツロウさん(with 妻 アンナさん)
1990年生まれ。太白区出身在住。宮城県工業高校機械科、東北工業大学デザイン学科卒。大学卒業後は妻のアンナさんと東京で働きながら、独学でアメリカに古着の買付けをスタート。2018年2月に仙台へ戻り、翌月には『BEAGLE USED & VINTAGE』をオープン。大の音楽好きで、仙台に戻ってからはライブイベントも企画する。
[URL] https://beaglesendai.thebase.in/
[Instagram] https://www.instagram.com/beagle_sendai/
- アメリカンコーヒーlikeで爽やかな古着屋さん いまを息づくカルチャーを楽しもう!
- -タツロウさんとアンナさん、そしてお店もオシャレで爽やかですね。アメリカのオールディーズな雰囲気、憧れちゃいます!
-
お店のコンセプトは、昔ながらの古着屋さんです。デニム・スウェット・ネルシャツがあって、1950年代半ばから1960年代のアメリカで流行った音楽の雰囲気を意識しています。
妻とは大学が一緒で、18歳から付き合いはじめて結婚しました。年齢は僕の方が一つ上なんですが大学1年目に放浪の旅へ出ていた僕は、翌年入学してきた妻と出会うことができました。(笑)
お互い古着好きだったので「一緒にお店やろう!」と意気投合して、今日に至ります。若気の至りって感じです。お互い熱中しやすい気質を持っていますね。
古着屋の良さは、店主の趣味とかが垣間見られるところだと思うんです。店主は趣味性の強い方が多いので、そういうのを僕らも表現できたらと大学時代から考えていました。
日差しが心地よく、明るい店内
- - 古着屋さんが持つ「店主の趣味性が強い」というのは納得!タツロウさんの場合、音楽と古着とスケートボードで創り出されていますね。
- 自分のファッションをコーディネートするときも、その時々の気分でいろんなテイストになりきれるのが好きなんですよね。だから、友達には「タツロウは多趣味だし、振り幅がすごいよね」と言ってもらえることが多いのかな。
でも実際は引き出しの数を見せつけて、知性を醸し出そうと必死に装飾しているのかもしれないです。(笑)
それと少し話がズレてしまうかもしれませんが、お店をやっていて感じていることがあって。
いまの時代、インターネットで手軽にモノが買えますよね。だけど、お客さんは古着屋の実店舗まで足を運んで、一点モノの服の中から自分好みのモノを探して買い物をしてくれるんです。これはとても効率が悪いし遠回りなんだけど、その手間を楽しみながら洋服を装飾する行為は、どんだけ時代が進んでもいなくならないと思っています。
だから色とりどりの古着たちを通して、ナチュラルな自分と違ったキャラに着飾る感覚やちょっと冒険してみる感覚なんかを楽しんでもらえたらとうれしいです。
それが新しい自分のスタイルになって、着飾ることが日常的に楽しめたら素敵だなと思います。
- -好きなカウンターカルチャーに『ビートルズ』を挙げられていますが、どんなところが革新的だと思いますか?
- 『ビートルズ』は、いまのポップカルチャーの土台をつくった特別な存在だと思います。その時代の価値観に真っ向から対抗しつつも、保守的な考えの人たちをも魅了してしまう魔法使いのような人たち。
突飛なモノのように見えても、視点を変えると普遍的にも見えたりする不思議な革新性が人々に伝播して、自然と新しいモノが気になって流されていってしまうような感覚が好きなんですよね。素直さというか。
高校時代に『ビートルズ』にハマったのですが、当時から既にクラシックとされているジャンルに対して「僕はどう向き合えるのかな」と、考えたことがありました。
例えば、いまの価値観のまま僕が1960年代に生きていたとします。その時代でブイブイ言わせていた、やんちゃな『ビートルズ』を好きになるためには「現代の最先端とされている芸術や文化に向き合える柔軟さを持っていなければならないのでは」と、思いを巡らせたものです。
そうしなければ、その時代にいても『ビートルズ』の楽しみ方は到底理解できないでしょうね。だから、保守的な考えを抱いてしまわないように「いまの時代の良さを楽しんだり、新しいモノに対してオープンに踏み込める心を持ち続けたいな」と、常に思っています。
レディースのワンピースやアクセサリーを見ることが好きで、
中性的な一面を持つタツロウさん
- -素直な心で突き進める大人って、かっこいいですよね!お店ではアメリカの古着や雑貨を取り扱っていますが、その魅力とは?
-
アメリカって、ルーツが合衆国じゃないですか。移民の方がつくってきた価値の多様さが滲み出ていて感銘を受けます。
ごちゃ混ぜでファンキーなモノが、ひとつの分かりやすい形に洗練されていく感じだったり、何かがぶつかり合って生み出されていく強さにすごく惹かれるんです。
そうした魅力があるから、僕はアメリカの古着や音楽が好きなんだと思います。僕自身も洋服だけではなくて、ライブの企画だったりZINEやサッカーチームをつくったりして、仕事とは別のフィールドで各々に混ざり合うような価値観を広げていきたいと考えています。
- -近年では、日本でもポピュラーになったスケートボード。タツロウさんのSNSには、ボードの技に挑戦し続ける姿が日々アップされていますね。
- スケートボードは18才くらいからやっています。お店をはじめてからは本格的にのめり込んでいきました。洋服よりも真剣に向き合っている時間かもしれません。(笑)
ハマったポイントは乗り物として無条件にカッコイイことと、乗りこなしているスケーターたちがひたすらクールな存在に見えることですかね。昨年からオリンピック競技になったことも手伝って、スケートボードのクールさはより幅広く世間に受け入れられている気がします。
スケートボードを乗りこなすのが難しくて練習は孤独な闘いなんですけど、その過酷さがあるからこそ、技をキメたときの達成感は凄まじいんです!快感!
一人一人が自分の憧れるスタイルを手に入れるために、前を向いてポジティブに進んでいく逞しさや自由さ。そして、その感覚を共有できる仲間同志の「さりげない絆」も非常に熱いモノがあります。
僕は、そんなアメリカンカルチャーをリスペクトしてやまない。
店内にもたくさんスケートボードが飾られています
- -タツロウさんは、子どもの頃に思い描いていた大人になっていますか?
- 小学校のときから人の言うことを聞くのが好きではなくて、思い通りにやりたい子どもでした。他の子たちに比べると、その傾向はすごく強かったようです。
だから大人になったときに、誰にも指示されない気持ちよさがありました。それは僕にとってとても価値があることだから、自分で選べるようになったモノに対しては責任を持ちたいと思っています。
世間的なイメージの「暗くて疲れている大人像」みたいになるのはごめんだったので、僕はそうならないように意識して自分自身を盛り上げています。(笑)
- -子どもたちに対する、大人の役割とは?
- 僕が大事だと思う大人の役割は、子どもに寄り添いながらいろいろな世界を見せること。
例えば、アンチヒーロー的なモノの魅力を語る大人が増えたら面白いと思うんです。そこにはその主人公なりの価値観があったり、マイノリティだけど見過ごせないような視点があるので、それを知ることで「見える世界」が広がって自分の個性や自信に繋げられます。
そんな大人のひとりに、僕たちもなれていたらいいよね。
- -ショップ情報
- [営業時間] 平日(13:00-20:00)、土日(12:00-20:00)
[住所] 仙台市青葉区立町21-1
[URL] https://beaglesendai.thebase.in/
[Instagram] https://www.instagram.com/beagle_sendai/
関連記事