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286の人々

第0006話
「長谷川眼科医院」 院長 長谷川 桂子さん

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長谷川 桂子 『医療法人社団 長谷川眼科医院』院長。日本眼科学会認定眼科専門医。1937年生まれ。宮城県仙台市出身(長町在住)。1956年に東北大学医学部を卒業。1973年に『長谷川眼科医院』開業。1989年『医療法人社団 長谷川眼科医院』設立。1990年に現在の場所へ医院を移転。
https://www.hasegawa-gankaiin.com
長町で生まれ育った長谷川先生は、高校生時代に同級生のお姉さんが東北大学医学部に入学されたのをきっかけに、医学の道へ。大学卒業後は、眼科の医局で臨床と研究をして医学博士となり、長町へ戻って『長谷川眼科医院』を開業されました。

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-『長谷川眼科医院』では、診療だけではなくメガネやコンタクトレンズ合わせも相談できるんですね!
当院では眼科一般の診療として、子どもの視力検査・角結膜炎・虹彩炎・白内障・緑内障・眼底疾患などの診察と治療のほか、糖尿病や高血圧といった全身疾患によって起きる眼の検査も行っています。
そして、眼鏡合わせとコンタクトレンズの処方もしております。眼鏡もコンタクトレンズも単焦点のほか遠近両用などたくさんの種類があるので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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視力検査の場所には、何百種類ものレンズがありました。これはその一部。

-長谷川先生は、長町のご出身なんですね。
ええ、長町で生まれ育ちました。私の実家は江戸末期からの農家で、父親の代ではいろいろなお仕事をしながら、桃やいちごの栽培などをしていたそうです。私は7人兄妹の末っ子で、一番上のお姉さんとは24歳も離れていました。
小学校は長町小学校に通っていたのですが、その時の児童数は3,000人でした!1クラス70人が7クラスあったので、現在の10倍くらい。
当時は小学校の数も少なかったので、郡山や八本松などからも子どもたちが長町小学校へきていました。遊び時間になると一斉に子どもたちが校庭へあふれ出てくる光景は、迫力があってすごかったんですよ!
当時、私が小学校低学年になるまでは太平洋戦争が続いていたので食べ物がなかったり、防空壕の中で過ごしたりと、本当に苦労した記憶があります。二ツ沢の方に焼夷弾が落ちるのを見たこともありましたね。でもその一方で私はあまり覚えていませんが、戦時中は防空壕でも寝られる、肝の据わった子どもだったそうです。

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-戦争を経験されたことで、医学を志すようになられたのですか?
戦争がきっかけではありませんでした。幼少期に、自宅隣の小児科や内科医院の先生と親しくさせていただいておりましたので、その頃から医学に対して興味はあったのかもしれません。
しっかり意識しはじめたのは、高校時代ですね。同級生のお姉さんが東北大学医学部に入学されたのを聞いて、私もその道へ進みたいと思ようになりました。

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-どのような経緯で、眼科医になられたのかを教えてください。
大学の医学部で6年間学んだ後、気仙沼の公立病院でインターンを1年間させていただきました。学生時代『東北大学医学部 眼科学教室』を時々見学していたところ、その教室への入局を薦められて「女性に適している科だな」と思い、眼科医になることを決意。こちらでは、4年間の臨床と「水晶体」についての研究を2年間行いました。
その後、1973年に『長谷川眼科医院』を開業したのですが、当初は現在の場所ではなく、実家の知り合いの方から長町の3丁目にある建物をお借りして、はじめることができました。開業前に勤務していた病院から、事務の方と看護師の方が来てくださったのでとても心強かったです。
-独立された当初から、学校医を担当されているんですよね。
そうですね。開業当初から80歳まで、仙台市内の学校医を担当しておりました。
小学校4校と県立高校1校の計5校を担当し、診療のお昼時間を利用して健康診断を行っておりました。現在の児童・生徒数は全校生徒で300人ほどなので、私が小学生の頃に健診をしてくださっていた先生方は「本当に大変だったんだろうな」と思います。

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-これまで、健診を通してたくさんの子どもたちの眼を診てこられた先生ですが、今後気をつけてほしいことはありますか?
日常生活で情報の約90%は眼から入るといわれています。
コロナ禍で日常的にリモートワークが増え、大人も子どもも無意識に眼を酷使している状態です。そのため、子どもは近視になる人が増えています。
スマートフォンやタブレットを見るときは、画面から30センチ以上眼を離し、20分に一度6メートル先を20秒以上見て眼を休めるようにしてくださいね。
また、寝る1時間前からデジタル画面をみるのはやめましょう。
以前使われていた遠近両用のレンズは、境目がはっきりわかるものでした。今の累進多焦点レンズは境目がなくなり、用途によっていろいろな種類があります。

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-勉強も読書も、外遊びとバランスをとりながら過ごすことで眼の健康が保たれるのですね!さて、本格的な花粉シーズンになりましたが、悪化させないためにはどのような対策がオススメですか?
花粉症は、早めに治療をはじめることが大事です。花粉飛散開始予測日の2週間前、または少しでもかゆみを感じたら、抗アレルギー点眼薬の使用を開始しましょう。花粉シーズンが終わるまで、毎日決められた回数を点眼することで症状は和らぎます。
-最後に「お医者さんになりたい」と思っている子どもたちへメッセージをお願いいたします。
日々の勉強を頑張るのは大前提なのですが、丈夫な身体であることが一番だと思います。一方で、不幸にも何か疾患を持っていたとしても、それを悔やまないでくださいね。患者さんの苦しさを自身でも体験しているので、よりよいお医者さんになれるでしょう。
そしてお医者さんになるならないに関わらず、周りの人には明るく親切に、そして丁寧に真心を込めて接してあげられる人になってほしいです。

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-お知らせ
眼が見えているかどうかは外見だけでは分かりません。自分自身でも見えない事に気がつかないでいることもあります。人生100年時代と言われるようになって、ますます眼の健康が大事になってきます。
特に40歳を超えると緑内障を発症する人が増えてきます。1年1回は視力や眼圧を検査して眼の健康に気をつけましょう。

医療法人社団 長谷川眼科医院(仙台市太白区長町1-5-6 ​アイビル2F)
[診療時間]月・火・水・金9:30-13:00/14:30-17:30、土9:30-13:00
[休診日]土(午後)木・日祝
[電話番号]022-247-5562

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